Thursday, April 15, 2010

新型 MacBook Pro(2010年4月発売)の Corei5 / Core i7 の性能比較

2010年4月モデルの MacBook Pro に搭載されている CPU の性能比較をベンチマークサイトから紹介します。モバイル版だから Intel Core i7 でも2コアなんですね。


追記
最新2011年10月モデルが発売されたので、こちらに新しく書き直しました。追記ここまで


ベンチマークスコアは"Passmark"というよく使われているものですが、参考程度にしてください。


「クロック数」の括弧内はターボブースト使用時の最大動作周波数(単位は GHz)。また「コア数」の括弧内はハイパースレッディングテクノロジー(HTT)を実装している場合の論理スレッド数。


型番プロセッサナンバークロック数コア数キャッシュベンチ価格
MacBook





MC207J/ACore 2 Duo P84002.26GHz23MB(2次)1541¥98,800
MacBook Pro13インチ




MC374J/ACore 2 Duo P86002.40GHz23MB(2次)1611¥114,800
MC375J/ACore 2 Duo P88002.66GHz23MB(2次)1896¥138,800
MacBook Pro15インチ




MC371J/ACore i5-520M2.4GHz(2.933)2(4)3MB(3次)2479¥168,800
MC372J/ACore i5-540M2.53GHz(3.066)2(4)3MB(3次)2566¥188,900
MC373J/ACore i7-620M2.66GHz(3.333)2(4)4MB(3次)2877¥208,800
MacBook Pro17インチ




MC024J/ACore i5-540M2.53GHz(3.066)2(4)3MB(3次)2566¥218,800
同上オプションCore i7-620M2.66GHz(3.333)2(4)4MB(3次)2877¥238,960
MacBook Air13インチ




MC233J/ACore 2 Duo SL94001.86GHz26MB(2次)1238¥148,800
MC234J/ACore 2 Duo SL96002.13GHz26MB(2次)1418¥178,800


i5 と i7 の違いは大きくない
4Gamer.net の「Arrandale 「Core i5-540M」搭載ノートPCを試す。ノートPCの3D性能は信頼できるようになったか」という記事にわかりやすい表が掲載されていますが、MacBook Pro 搭載の Core i5-540M(i5 モデルの速い方)と Core i7-620M の違いは小さく、次の2点だけのようです。

  • Turbo Boost について i5-540M は4段階、i7-620 は5段階まで有効で、Turbo Boost 適用時の最大動作クロック数は前者が 3.06GHz、後者が 3.33GHzである。
  • 3次キャッシュは i5 が 3MB であるのに対して、i7 が 4MB である。

最大動作クロックについて、Core i7-620 は Core i5-540M に対して約 9% しか速くなっていないのに(333 / 306 ≒ 1.088) 、ベンチマークでは 約 12% 速い(2877 / 2566 ≒ 1.12)のは、3次キャッシュの搭載量の差が有効なのかもしれませんが、違いといえばそれぐらいです。いずれも同じ Arrandale 世代で、製造プロセスも 32nmです。

どっちがいいかといえば、通常用途では Core-i5 で十分ではないでしょうか。購入時にはどうしても i7 の方を欲しくなってしまいますけどね(笑)。



モデル別に見ると
17インチだとオプションで i5 から i7 に変更できますが、12% の速度向上のために 2万円(¥20,160)払う価値があるのは、仕事でバリバリ使用する人ぐらいでしょう。



15インチモデルは i5 の高額な方(MC372J/A)と i7 モデル(MC373J/A)もほぼ2万円(¥19,900)の違いですが、こちらは グラフィックボードの専用メモリが 256MB から 512MB に増えるので、17インチと比べると同じ2万円でもお得感があります。


また、MacBook Pro 15インチ i5 モデルの CPU について速い方(i5-540M)と遅い方(i5-520M)の比較だと、上記ベンチマークではほとんど性能に違いが無いようです。このモデルもやっぱり2万円(¥20,100)の差で、CPU 以外の違いは HDD で、320GB と 500GB です。高い方は割高じゃないかな。15インチは一番安いモデル(MC371J/A)がコストパフォーマンスが最も良いと思います。



13インチモデルも "Pro" なんだからせめて i3 にして欲しかったけど、ベンチマークを調べると(下表) Core 2 Duo とあまり違わないからですかね。Core i3 はハイパースレッディングは実装されていますが、ターボブーストは有効ではないために、Core 2 Duo と比較しても差が大きくないようです。昨日の記事で書いたように13インチは GPU がすごく良くなっていますからね。トータルでは先モデルよりぐっと良くなったのでは。


型番プロセッサナンバークロック数コア数キャッシュベンチ価格
MacBook Pro13インチ




MC374J/ACore 2 Duo P86002.40GHz23MB(2次)1611¥114,800
MC375J/ACore 2 Duo P88002.66GHz23MB(2次)1896¥138,800
参考






Core i3-350M2.26GHz2(4)3MB(3次)2084

Core i3-330M2.13GHz2(4)3MB(3次)2032

Wednesday, April 14, 2010

新型 MacBook Pro(2010年4月発売)のグラフィック性能

日本時間2010年4月14日にアップルから発売された新型の MacBook Pro(マックブックプロ) ですが、搭載されている GPU の 性能について調べました。新型の NVIDIA GeForce 320M などと、旧機種搭載のグラフィックチップとの比較です。データを豊富にそろえてあるサイトを見つけたのでそこそこ合っているはずです(まあ、私自身はよくわかっていないのですが)。


Intel HD Graphics < NVIDIA GeForce 320M < NVIDIA GeForce GT 330M
新型 MacBook Pro の GPU は、
13インチが NVIDIA GeForce 320M、
15インチと17インチでは、低負荷時に Intel HD Graphics、高負荷時に NVIDIA GeForce GT 330M と切り替えられます。


旧型では
13インチが GeForce 9400M
15インチと17インチでは、低負荷時に GeForce 9400M、高負荷時に GeForce 9600M GT と切り替え
でした。

注意
"GeForce 320M" と "GeForce GT 330M" は数字は近いですが"GT"の有る無しも違います。GeForce は次の命名規則にしたがって性能を表す名称がつけられているため(Wikipedia 参考)、"GeForce 320M" と "GeForce GT 330M" の性能差は大きいことに気をつけてください。

GTXハイエンド
GTパフォーマンス
GTSパフォーマンス
GSメインストリーム
Gローエンド
(無印)ローエンド




Notebookcheck によると、ベンチマークの調査結果として次のスコアが掲載されています。

GPU3DMark 05(1024x768)3DMark 06Cinebench R10
HD Graphics314216721877
GeForce 9400M G300217332231
GeForce 310M714935672996
GeForce 9600M GT959251633651
GeForce GT 330M1257965393434
Mob Radeon HD 46701261469955002


GeForce 320M は MacBook Pro で初めて搭載されたためにまだベンチマーク結果がないので、性能が似ているらしい GeForce 310M のスコアを掲載しました。320M は 310M と比べて「わずかに性能が向上しているぐらいだろう」ということなので。表の一番下は高性能ノートパソコン、たとえばデルの Studio XPS 16 などによく搭載されている "ATI Mobility Radeon(TM) HD 4670"です。



Notebookcheck は "3DMark 05"のスコアを主に使用しているようなので、この数字を参考に MacBook Pro の GPU を見ていきます。("3DMark 05" はウインドウズ用ベンチマークソフトであり、Mac 上の数字ではないのですが、プロセッサの性能を計るには十分だと判断しました)

13インチ
(旧)GeForce 9400M ⇒ 3002、(新)GeForce 310M ⇒ 7149
旧13インチ、また現行 MacBook ホワイトと MacBookAir のGeForce 9400M と比較して2倍以上速くなっています。ちなみにアップルもサイトで性能について「最大1.8倍高速」としているのでだいたい合っています。


さらに DirectX が 10から 10.1 に世代が上がっています。マックではあまり関係なさそうですが、Windows7 をブートキャンプで使用する場合を考えると Windows7 の次のような特性についてすこし気になっていたのでありがたいです。
Windows 7はDirectX 10世代の旧式のビデオカードでもソフトウェアエミュレーションによって DirectX 10.1世代相当で動作させることが可能です。 しかし、本来ビデオカードが得意とする処理をCPUに肩代わりさせることになるので、CPUに余計な負担を与えます。
Windows 7 で DirectX 11 を体験してみよう!より


Windows 7ではDirect 3D 10.1 APIに実装されている機能を活用することでメモリの利用効率を向上させ,ウィンドウ操作に対するメモリ消費量をWindows Vistaに対して約50%も削減している。さらに,Windows Vistaでは開いたウィンドウの数に比例してメモリを使っていたため,ウィンドウを開けば開くほど動作が重くなってしまっていたが,Windows 7ではウィンドウの数に関係なく,メモリ消費は常に一定で,どれだけウィンドウを開いてもOSの動作自体に影響しない設計がなされている。これらの仕様はDirect X 10.1が前提となっているものだ。Windows 7の要求仕様としてはDirect X 9となっているが,その場合,エミュレーションによりCPUに負荷がかかるため,パフォーマンスが低下してしまうし,Direct X 10でもGPU仮想化によるマルチタスク処理に未対応である。
http://special.nikkeibp.co.jp/ts/article/0ia0/104117/より



ちなみに、Gigazine の「高性能で省電力なASUSのモバイルノート「U30Jc」速攻フォトレビュー、NVIDIAの最新技術を日本で初めて採用」によると、GeForce 310M を搭載した ASUS のノートPC"U30Jc"では「Windowsエクスペリエンス インデックス」のスコアは、
グラフィックス(Windows Aero のデスクトップ パフォーマンス)が3.9、ゲーム用グラフィックス(3D ビジネスおよびゲームグラフィックスパフォーマンス)が5.1 なので、13インチ MacBook Pro の GeForce 320M もこれぐらいの性能でしょう。



15インチ / 17インチ
低負荷時
(旧)GeForce 9400M G ⇒ 3002、(新)Intel HD Graphics ⇒ 3142
ちょっとマシになったぐらいですが、次のディスクリート GPU があるので気にする必要はないでしょう。HD Graphics の DirectX は 10.0 です。

高負荷時
(旧)GeForce 9600M GT ⇒ 9592、(新)GeForce GT 330M ⇒ 12579
"3DMark 05"は1.3倍強スコアアップしています。13インチほどではないですが、まあ十分な進化だと思います。"ATI Mobility Radeon HD 4670"と比べるとすこし劣るぐらいのようですが。ちなみに GeForce 9600M GT は DirectX 10、GeForce GT 330M は 10.1 です。