CPU ベンチマーク比較
ベンチマークスコアは PassMark というよく使われているもの。Windows 機で計測されたスコアですが、CPU 間の相対的な差を測るには十分なはずだから、Mac 版に流用します。
「クロック数」の括弧内はターボブースト使用時の最大動作周波数(単位は GHz)。また「コア数」の括弧内はハイパースレッディングテクノロジー(HTT)を実装している場合の論理スレッド数。
2009Early は 2009年3月、2009Late は 2009年10月、2010Mid は 2010年7月発売のモデルです。価格は各モデル発売当時。ベンチスコアは2011年12月16日時点のもの。
型番 | プロセッサナンバー | クロック数 | コア数 | 2次or3次キャッシュ | ベンチ | 価格 |
2009 Early | 20インチ | |||||
MB417J/A | Core 2 Duo E8135 | 2.66GHz | 2 | 6MB | 1691 | ¥128,800 |
24インチ | ||||||
MB418J/A | Core 2 Duo E8135 | 2.66GHz | 2 | 6MB | 1691 | ¥158,800 |
MB419J/A | Core 2 Duo E8335 | 2.93GHz | 2 | 6MB | 1879 | ¥198,800 |
MB420J/A | Core 2 Duo E8435 | 3.06GHz | 2 | 6MB | 2287 | ¥244,800 |
2009 Late | 21.5インチ | |||||
MB950J/A | Core 2 Duo E7600 | 3.06GHz | 2 | 3MB | 2137 | ¥118,800 |
MC413J/A | Core 2 Duo E7600 | 3.06GHz | 2 | 3MB | 2137 | ¥148,800 |
オプション | Core 2 Duo E8600 | 3.33GHz | 2 | 6MB | 2656 | - |
27インチ | ||||||
MB952J/A | Core 2 Duo E7600 | 3.06GHz | 2 | 3MB | 2137 | ¥168,800 |
オプション | Core 2 Duo E8600 | 3.33GHz | 2 | 6MB | 2656 | - |
MB953J/A | Core i5-750 | 2.66GHz(3.2) | 4 | 8MB | 4287 | ¥198,800 |
オプション | Core i7-860 | 2.80GHz(3.46) | 4(8) | 8MB | 5586 | - |
2010 Mid | 21.5インチ | |||||
MC508J/A | Core i3-540 | 3.06GHz | 2(4) | 4MB | 2840 | ¥118,800 |
MC509J/A | Core i3-550 | 3.20GHz | 2(4) | 4MB | 3089 | ¥148,800 |
オプション | Core i5-680 | 3.60GHz(3.86) | 2(4) | 4MB | 3506 | プラス ¥19,530 |
2010 Mid | 27インチ | |||||
MC510J/A | Core i3-550 | 3.20GHz | 2(4) | 4MB | 3089 | ¥168,800 |
オプション | Core i5-680 | 3.60GHz(3.86) | 2(4) | 4MB | 3506 | プラス ¥19,530 |
MC511J/A | Core i5-760 | 2.80GHz(3.46) | 4 | 8MB | 4574 | ¥198,800 |
オプション | Core i7-870 | 2.93GHz(3.6) | 4(8) | 8MB | 6108 | プラス ¥19,530 |
2011 Mid | 21.5インチ | |||||
MC309J/A | Core i5-2400S | 2.5GHz(3.3) | 4 | 6MB | 5041 | ¥108,800 |
MC812J/A | Core i5-2500S | 2.7GHz(3.7) | 4 | 6MB | 5077 | ¥134,800 |
オプション | Core i7-2600S | 2.80GHz(3.8) | 4(8) | 8MB | 7445 | プラス ¥18,690 |
2011 Mid | 27インチ | |||||
MC813J/A | Core i5-2500S | 2.7GHz(3.7) | 4 | 6MB | 5077 | ¥154,800 |
MC814J/A | Core i5-2400 | 3.1GHz(3.4) | 4 | 6MB | 6154 | ¥178,800 |
オプション | Core i7-2600 | 3.4GHz(3.8) | 4(8) | 8MB | 8965 | プラス ¥19,000 |
注目点
Passmark のベンチマークスコアによると、
- 2009Early の最上位モデル(オプションCPU)のスコアが「2287」であるのに対して、2011 Mid は最廉価モデルでも「5041」と2倍以上、上回っている
- 2010Mid と 2011Mid それぞれの最廉価モデルを比較すると「2840」と「5041」で、新型が約1.77倍速くなっている
- 2009Early と 2011Mid それぞれの最上位モデルを比較すると「2287」と「8965」であり、約3.9倍も高速になっている。
これはあくまで特定のベンチマークソフトのスコアですから、数字どおりの性能向上が得られない場合もしばしばあります。特にオプションで選択できる Core i7 のベンチスコアはすごいですが、これはハイパースレッディングが効果的な場合であって、擬似8コアを使いきる使い方をしないなら当然、何の意味も無いのでよく考えましょう。とはいえSandy Bridgeプロセッサに替わったことで、2011 Mid全体ではコストパフォーマンスの極めて高いモデルになったといえるでしょう。
GPUベンチマーク比較
ベンチマークスコアは CPU と同じく PassMark から。やはり Windows マシンで計測されたものですが、問題ないでしょう。ただメモリ搭載量がちょっと不明なため、例えば27インチで選択できるメモリ2GBモデルが1GBモデルとどれぐらい性能が変わるかも不明です。CPUとおなじく2011年12月16日時点のスコアです。
型番 | GPU | 搭載メモリ(MB) | ベンチ | 価格 |
2009 Early | 20インチ | 1680×1050 | ||
MB417J/A | GeForce 9400M | 256(共有) | 141 | - |
24インチ | 1920×1200 | |||
MB418J/A | GeForce 9400M | 256(共有) | 141 | - |
MB419J/A | GeForce GT 120 | 256 | 385 | - |
MB420J/A | GeForce GT 130 | 512 | 537 | - |
オプション | Radeon HD 4850 | 512 | 1128 | - |
2009 Late | 21.5インチ | 1920×1080 | ||
MB950J/A | GeForce 9400M | 256(共有) | 141 | - |
MC413J/A | Radeon HD 4670 | 256 | 760 | - |
27インチ | 2560×1440 | |||
MB952J/A | Radeon HD 4670 | 256 | 760 | - |
MB953J/A | Radeon HD 4850 | 512 | 1333 | - |
2010 Mid | 21.5インチ | 1920×1080 | ||
MC508J/A | Radeon HD 4670 | 256 | 760 | - |
MC509J/A | Radeon HD 5670 | 512 | 1233 | - |
2010 Mid | 27インチ | 2560×1440 | ||
MC510J/A | Radeon HD 5670 | 512 | 1233 | - |
MC511J/A | Radeon HD 5750 | 1024 | 1508 | - |
2011 Mid | 21.5インチ | 1920×1080 | ||
MC309J/A | Radeon HD 6750M | 512 | 1130 | ¥108,800 |
MC812J/A | Radeon HD 6770M | 512 | 1409 | ¥134,800 |
2011 Mid | 27インチ | 2560×1440 | ||
MC813J/A | Radeon HD 6770M | 512 | 1409 | ¥154,800 |
MC814J/A | Radeon HD 6970M | 1024 | 2630 | ¥178,800 |
オプション | Radeon HD 6970M | 2048 | 2630 | +¥9,345 |
CPUほど顕著ではないですが、各モデルともだいたい10から数十パーセントほど性能が向上しています。
2009年の下位機種が搭載する GPU「NVIDIA GeForce 9400M」が、「9400M」と「9400M G」のどちらなのかわからないのですが、上の表では「G」なしの「9400M」のスコアを取りました。そのほうが ITmedia のレビュー記事に掲載されている実機を用いて調べたスコアと矛盾が生じないと考えたためです。ただし「9400M G」だった場合、そのスコアは「320」です。
2010年モデルから最廉価機種もディスクリートGPU「ATI Radeon HD 4670」になりました。これにより「GeForce 9400M」の DirectX が「10.0」であるのに対して、2010年以降のモデルはすべて「10.1」以上になったため、BootCamp で Windows 7 を使用する場合には GPU性能の向上だけでなく、次の利点があります。
Windows 7はDirectX 10世代の旧式のビデオカードでもソフトウェアエミュレーションによって DirectX 10.1世代相当で動作させることが可能です。 しかし、本来ビデオカードが得意とする処理をCPUに肩代わりさせることになるので、CPUに余計な負担を与えます。
Windows 7 で DirectX 11 を体験してみよう!より
Windows 7ではDirect 3D 10.1 APIに実装されている機能を活用することでメモリの利用効率を向上させ,ウィンドウ操作に対するメモリ消費量をWindows Vistaに対して約50%も削減している。(略)これらの仕様は Direct X 10.1が前提となっているものだ。Windows 7の要求仕様としてはDirect X 9となっているが,その場合,エミュレーションによりCPUに負荷がかかるため,パフォーマンスが低下してしまうし,Direct X 10でもGPU仮想化によるマルチタスク処理に未対応である。
http://special.nikkeibp.co.jp/ts/article/0ia0/104117/より
上記のような Windows7 の特性により、「GeForce 9400M」搭載機で Windows7 を使用すると、無駄にCPU・メモリが使われると考えられます。2010Mid 以降の iMac は最廉価モデルも DirectX 10.1以上対応GPUになったため、「iMac で動かす Windows7」がより軽くなるだろうと期待できます。
なお、つぎに iMac が大幅に刷新されるとするならインテルの次世代プロセッサ「Ivy Bridge」登場後になる可能性がもっとも高いですが、その登場は2012年第2四半期と予想されています。
Ivy BridgeプロセッサとSandy Bridgeプロセッサの最も注目すべき違いは、IntelがIvy Bridgeを22nm(ナノメートル)プロセス技術で製造すること。このため、Ivy Bridgeプロセッサのサイズは、既存の32nmプロセッサよりも30%近く縮小される。
インテルの「Ivy Bridge」、来年第2四半期にCore i5とi7で登場――リーク情報|CPUプラットフォーム|トピックス|Computerworld
とのこと。製造スケールが縮小されることにより、
1)消費電力の低減と
2)プロセッササイズが小さくなった分、CPU能力と、CPU統合グラフィックスの処理能力を強化できる
で、2)についてインテルはCPU能力の向上よりもGPU能力の向上の方により力を入れると考えられています。しかしiMacはCPU統合GPUは利用せず、ディスクリートGPUを搭載しており、次世代モデルもおそらくそうだろうと予想するなら、Ivy Bridgeプロセッサの2つの利点のうち一つは iMac ではあまり有効で無いので、Apple Store でカスタマイズしないなら次世代モデルを待たずに量販店などで値段の下がった現行モデルを買うのがいいと思います。
Apple Online Store 新しいiMac登場
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